五穀豊穣祈り 獅子舞を奉納 久米島兼城


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「十五夜村あしび」で披露された獅子舞=19日夜、久米島町兼城公民館

 【久米島】中秋の名月に当たる旧暦8月15日の19日夜、町兼城区(新里盛和区長)で、恒例の十五夜行事である「獅子舞」が区内各所で行われた。夕暮れを合図に、区の拝所(カミヤー)で五穀豊穣(ほうじょう)を祈り舞を奉納。区民とともに集落内を練り歩き、災厄や疫病を追い払った。

 奉納後、同区公民館広場では「十五夜村あしび」が行われ、住民や観光客ら500人を超える人々が伝統芸能を楽しんだ。
 ステージでは、区の三大伝統芸能で中国からの冊封使を接待する奉納舞踊として伝わってきた「白瀬走川」、民俗芸能として踊り継がれてきた「しゅんどう」、集落の災厄や疫病を追い払い、五穀豊穣を願って始められたといわれている「獅子舞」が披露された。子どもたちのかわいらしいダンスや民謡ショー、バンド演奏など多彩な演目で会場を盛り上げた。
 新里区長は「久米島町に唯一伝わる兼城の誇り高い伝統芸能の保存、継承、発展のため、区民一同で取り組んでいる」とあいさつ。
 先輩らに交ざり、今回初めて獅子舞と一緒に舞うハチャブローに挑戦した田端康生君(久米島西中1年)は「とても難しかったけれど、人前で演舞するのはとても楽しかった」と感想を話した。
(盛長容子通信員)