ブーテン語る集い「天性のユーモリスト」


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小那覇舞天の思い出に浸った「ブーテンを語る集い」の登壇者ら=9月22日、うるま市

 【うるま】「沖縄のチャップリン」の愛称で親しまれた小那覇舞天(ブーテン)こと小那覇全孝さんについて語り合う「ブーテンを語る集い」(主催・NPO法人石川・宮森630会)が9月22日、うるま市の石川地域活性化センター舞天館で開かれた。

沖縄戦で傷ついた民衆の心を笑いで癒やした舞天さんの人物像に触れて、観客らは在りし日の思い出に浸った。
 第1部で舞天さんの息子・小那覇全人(88)さんが「父を語る」で講演。「父を一言で言うと天性のユーモリストだった」と話し、「自分が偉くなるとか有名になることには興味がなく、人を楽しませることばかり考えていた」と素顔を語った。
 「家では無口だった」と外では見せない意外な一面も紹介した。
 第2部の「在りし日のブーテンを語る」では、フォーシスターズのメンバーとして舞天さんと活動した佐次田久美子さん(65)ら7人が登壇した。佐次田さんは「移動中の車の中で、父親と政治の話ばかりしていた。この先、沖縄がどうなるのか強い思いがあった」と話し、沖縄の未来に苦悩する姿を紹介した。
 防犯協会の活動で一緒だった玉盛俊一さん(88)は飲み屋での一場面を紹介。「舞天さんは漫談家だが、わい談も上手で仕事を離れても女の子にモテモテだった」と明かして笑いを誘った。