喜友名(成年男子空手道形)初V 東京国体第3日


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成年男子形決勝 気迫のこもったスーパーリンペイを披露する喜友名諒=30日、東京都の日野市市民の森ふれあいホール(桑原晶子撮影)

 【東京国体取材班】第68回国民体育大会(スポーツ祭東京2013)第3日は9月30日、東京都などで行われ、県勢は13競技に出場した。空手道の成年男子形では喜友名諒(劉衛流龍鳳会)が頂点に立った。喜友名が国体で優勝するのは初めて。

なぎなた成年女子演技の島袋梓・糸数ゆい組(西原町教委・さんご保育園)は5位決定戦で兵庫に敗れ、6位入賞となった。同試合は2回戦敗退だった。銃剣道の成年男子は2回戦で岡山を3-0で破り、ベスト16入りを決めた。剣道の成年男子は3-2で山形を破り、初戦を突破した。ゴルフの成年男子個人では伊差川紘治(ベルビーチゴルフクラブ)が4位タイと好発進した。ボウリング成年男子個人戦では県出身の安里秀策(岐阜)が頂点に立った。県勢は4人とも決勝進出を果たせなかった。テニスの少年女子は0-2で福井県に敗れた。弓道の成年男子は決勝に進めなかった。1日はセーリングや自転車に県勢が出場する。

◆喜友名 圧巻の迫力/無駄ない動きと切れ
 喜友名諒(劉衛流龍鳳会)の目に力がこもった。成年男子形の決勝。静寂に包まれた場内に向けて声を張り上げる。「スーパーリンペイ」。大一番で選んだのは、自身が最も得意とする形だった。深く息を吐き、ゆっくりと動きだす。二つの瞳は目の前に浮かべた敵をにらみつける。「相手がいると思って、一発一発で倒すことを考えた」。無駄のない動きから繰り出されるのは切れのある攻撃だ。約4分間。「戦い」を終えた喜友名に、勝利を告げる旗が上がった。
 悲願の初優勝だった。第9回ワールドゲームズで銅メダル、空手1プレミアリーグ2013で優勝。国際大会で輝かしい成績を残してきたが、国体では5位入賞が最高だった。今大会の決勝は、プレミアリーグで優勝を争った新馬場一世(岐阜)と顔を合わせた。「相手はリベンジのつもりで来る」と気持ちを引き締め、「集中して自分の形をやれば勝てる」と自らに言い聞かせた。
 「やっと優勝できた」。勝利の喜びを語る笑顔は晴れやかだった。一方で、決勝は3-2と僅差だったことに「力みすぎてタイミングが合わない場面もあった。もっとレベルアップしないといけない」と反省も口にする。目標としているのは師匠の佐久本嗣男氏だ。「いつかは先生を超えたい」。23歳の若き空手家は、さらなる飛躍を誓った。(平安太一)