八重山教科書、下村文科相が週内にも是正要求


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【東京】下村博文文部科学相は1日の記者会見で、八重山の教科書問題をめぐり文科省が竹富町に対して教育行政初の是正要求を出す方針を固めたことについて「政府内の協議がまとまり次第、直ちに是正要求を出したい」と述べ、今週中にも文書を出す考えを示した。

 一方、愛国心を育む教育などで「美しい国」づくりを目指す安倍政権にとって、竹富町が採択を拒否した保守色の強い「育鵬社」と、既に同町が配布した「東京書籍」の教科書のどちらが望ましいかについては「コメントする立場にない」と述べ、言及を避けた。
 下村氏は「(自民党が)政権を取った直後から相当丁寧に指導、助言を行ってきたが、いまだに改善していない」と指摘。是正要求は罰則がなく、強制力はないが「法治国家として法律に従うべきだ。是正要求に従うようお願いしていく」と述べ、町に対して八重山採択地区協議会の答申に従うよう求めていく考えを示した。
 是正要求は地方自治体などの事務処理に法令違反があるときや、明らかに公益を害していると認められる場合に、国が是正を求める制度。自治体側は、改善措置を取る法的義務を負うが、従わなくても罰則はない。