アチコーコーで健康印 きょう「豆腐の日」


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丁寧で時間のかかる作業から生まれるアチコーコーの島豆腐=9月27日、那覇市繁多川の瑞慶覧食品

 10月2日は「豆腐の日」。県豆腐油揚商工組合(久高将勝理事長)がこの日を制定して20年を迎えた。本土復帰に伴い、島豆腐は食品衛生法上“アチコーコー(熱々)”は良くないと水にさらすよう義務付けられたが、関係者の尽力で“熱い豆腐”は守られた。

近年、食文化の多様化や原料値上がりが重なり、生産、消費ともに落ち込んでいる。島豆腐製造業者はそれでも負けじと、熱々、どっしりした島豆腐を日々、食卓に届けている。
 創業65年、那覇市繁多川の瑞慶覧食品には毎朝、湯気と優しい豆乳の匂いがほかほかと立ち込める。2代目の瑞慶覧長一代表(61)は「小さいころから豆腐に養ってもらった。今でもほとんど毎日食べている」と語る。本土出荷は徐々に増えたが、県内向け生産はピーク時の3分の1に減った。経営は苦しいが、身近な食品だけに値段も上げにくい。毎日約150丁分を丁寧に仕上げる。
 うるま市の赤野豆腐2代目、久高理事長(69)は「家庭料理を作る機会が減り、島豆腐の需要も減った。健康にも良くて一家だんらん、島豆腐の食卓を囲んでほしい」と話した。学校などで出張ゆし豆腐講座も行う。問い合わせは同組合(電話)098(834)3403まで。(石井恭子)