国、2500万円賠償へ 基地従業員石綿訴訟


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 【沖縄】沖縄の本土復帰前後に在沖米軍基地に勤務し、アスベスト(石綿)を吸引したことが要因で肺がんなどを発症して亡くなったとして、元基地従業員の男性2人の遺族が国にそれぞれ2500万円の損害賠償を求めた訴訟で、国側は1日、2002年に79歳で亡くなった男性に対し、那覇地裁沖縄支部(日景聡裁判長)が示した2500万円を支払う和解案に合意した。

県内の石綿被害の損害賠償訴訟で国と和解が成立したのは初めて。
 和解した遺族(69)は「県内で初めての事例でどうなるか心配だったが本当に喜んでいる。暴露した可能性のある方々も何かの行動を起こしてほしい」と語った。
 一方、10年に特発性肺線維症で亡くなった80代男性については和解に至らず、裁判を通じて今後、協議を続ける。原告側の当山尚幸弁護士によると、国は、男性が石綿素材の設備を取り換える作業に従事していたことから、国は死亡原因と基地内就業の因果関係は認めた。
英文へ→Government to pay 25 million yen to asbestos victim’s family