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玉城香代一門交流演奏会が9月22日、浦添市の国立劇場おきなわで開かれた。琉球箏曲興陽会、琉球古典音楽湛水流保存会、野村流音楽協会の師範である玉城の米寿を記念し、本人と弟子らが出演。琉球箏曲や日本箏曲、湛水流、琉舞など変化に富んだ演目を披露した。
中でも「一門の要」という玉城の師匠・根路銘ノブの作品が光った。
根路銘が1970年に作曲した「菅撹変奏曲」は、玉城と子や孫が演奏した。瀧落菅撹、地菅撹、江戸菅撹の本来の旋律(本手)に、別の旋律(替手)を加えて変化をつけた作品。今回は音色の調和をより工夫しようと、本手に笛、替手に胡弓(くーちょー)を加えた。
フィナーレの「明雲(あきぐも)」は根路銘の86年の作品。夜明け前のような薄暗く青っぽい照明の中、1面の箏だけで静かに弾き始める。雲の切れ間から朝日が差し込むように、少しずつ音が重なっていく。照明が明るくなると、全ての箏で晴れやかに合奏する。希望を感じさせる旋律で一門の前途を祝福した。
玉城の娘・山崎千鶴らによる日本箏曲「雲井六段」は、琉球箏曲とは異なる哀愁漂う雰囲気が印象的だった。玉城と弟子による琉球箏曲の歌物3曲や、弟子・宮里秀明の門下生による湛水流の「作田節・早作田節」、舞踊「かぎやで風」「松竹梅鶴亀」「加那よー天川」なども披露された。