「大ヒット盤」ゴスペラーズ『ハモ騒動～The Gospellers Covers～』

無理なく、凄い初カバー集
　これまで音楽番組で器用にカバーを披露してきた彼らだが、意外にも本作が初カバー集。しかし、気軽に衣装を替えるジャケット画像のように、お手のものといった感じだ。

　全１３曲中、先行シングルで鉄板のポップス『ロビンソン』はむしろ異端で、昭和初期の楽曲らしい『猫騒動』ではニャーゴニャゴと鳴きまくったり、『真赤な太陽』ではファンキーにメロディーを変えて歌ったり、ブルーノ・マーズ『Ｊｕｓｔ　Ｔｈｅ　Ｗａｙ　Ｙｏｕ　Ａｒｅ』では逆にサラリと流したり、とにかく古今東西に振り回される。それでいて、どこにも無理を感じさせず、やはり凄い歌い手なのだ。特に、ベテラン・コーラスＪＩＶＥの隠れ名曲『Ｈｅａｒｔｂｅａｔｓ』が、オリジナルの『永遠に』さながらに、メロウな名曲としてここに発表されたのが嬉しい。
　ラストには、本家・根本要と『夢伝説』を共演し、より壮大なラブ・ストーリーに変身。本作から歌うことの楽しさが存分に伝わるはず。
　（キューンミュージック・３０５９円）＝つのはず誠
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つのはず誠のプロフィル
　つのはず・まこと　１９６８年生まれ。総合化学会社、音楽宣伝会社勤務を経て、Ｔ２Ｕ音楽研究所設立。音楽市場分析、コンピレーションＣＤの企画・選曲などを手がける。
(共同通信)