スーダンで遠隔診療試験 ドクターカーにシステム搭載


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 システム開発のアクシオヘリックス(那覇市、シバスンタラン・スハルナン社長)は、独自に開発した遠隔診療システムを搭載するドクターカー(移動型診療車)の実証事業を近く、スーダンで始める。

国際協力機構(JICA)の事業で、2日までに業務委託契約を締結した。アクシオ社は同事業で遠隔診療のモデルを確立し、将来的に他国への展開を目指す。
 システムは遠隔地で速度が遅い通信回線でも病院と診断画像を同時間帯に共有できるほか、個人認証を可能にする生体認証技術で患者の病歴などの医療情報をデータベース化する仕組み。ドクターカーには医療担当者が乗車する。同車両には巡回診療に必要な心電計や超音波画像診断装置などを設置した。
 同社の担当者は「会話を途切れなくすることができ、病院にいる熟練医師と密接なコミュニケーションを可能にする」と説明した。
 スーダンは医療インフラ未整備や医師不足などの課題を抱える。実証試験ではドクターカーを7台導入し、2015年5月まで実施し、遠隔医療の需要やシステムの実用性などを調べる。さらに同社は医療機器の管理保守を手掛ける現地法人を立ち上げる計画だ。