「粉状なら飛散恐れ」 石綿、県が新見解


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 【うるま】米軍のキャンプ・コートニー高層住宅改修工事のアスベスト(石綿)問題を受け、県は2日までに、作業員と元請け業者の西松建設や米軍の間で食い違う“石綿の飛散性”の認識について新たな見解を示した。

飛散性が「ある」とする作業員と、「ない」とする西松建設や米軍の間で、県はこれまで飛散性の判断を保留していた。だが今回問題となった石綿を含む接着剤などが付着した建材について、解体過程で粉状になると「石綿飛散の恐れがある」と指摘。廃棄物処理法の「廃石綿等」に分類し、一歩踏み込んだ見解を示している。
 作業員は、石綿の使用された配管部分の保温材が産業廃棄物処理法の規則で「飛散の恐れがある『廃石綿等』に定められている」と主張していた。一方、西松建設や米軍は保温材が「接着剤かセメントで固められている」として、飛散性を否定していた。石綿を接着剤で固めるという、日本国内ではあまり例がない工法により、飛散性の認識が異なっていた。
 県環境整備課は「石綿を含む接着剤等」について、飛散性の恐れがあるとの判断を下した。県は周知のためのホームページで、接着剤等で固められた石綿を粉状にした場合の(1)二重梱包(こんぽう)など飛散・流出の防止(2)廃石綿は県内で中間処理・最終処分できる業者がないため、県外で処理する必要-などの対策を示している。
(東江亜季子)