「区域」「操業」明確に 県内漁業者が切望


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パヤオ設置位置と米軍ホテルホテル訓練区域

 日米両政府による安全保障協議委員会(2プラス2)は3日、沖縄本島東側の米軍ホテル・ホテル訓練区域の一部解除で合意した。

しかし「一部」が示す区域や、「解除」により「操業」が認められるかはまだ明らかではない。同区域の本島側に突き出た先端部分周辺はパヤオ(浮き魚礁)を活用した漁が盛んであり、県内漁業関係者からは先端区域での安全操業を要望する声が多い。
 先端区域の周辺には県と県内各漁協が所有する20基以上のパヤオが設置されており、マグロなどの好漁場となっている。
 約35隻の漁船が同区域で操業する沖縄市漁業協同組合の眞喜志薫組合長は「潮の流れでどうしても訓練水域に入ってしまう。漁はいつも軍艦と隣り合わせだ」と操業の安全性を懸念する。同訓練区域には、今年5月にも嘉手納基地所属のF15戦闘機が墜落した。
 眞喜志組合長は「演習がない時期を明確に連絡してくれれば、安心して操業できる」と事前通告の徹底を求める。これまでは1年を通し、米軍が訓練するたびに場所や期間のみが各漁協に連絡されていた。
 県漁業協同組合連合会の国吉真孝会長は解除された場合の操業について「通れるというのは演習がないという意味。操業できると解釈できる」との認識を示す。先端区域については「操業できれば漁場はだいぶ拡大する。今後さらに区域を広げていきたい」と述べた。