5高校生が難関突破 事業用車「運行管理者」試験


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 事業用自動車の安全運行を管理する「運行管理者」の2013年度第1回試験に、県内から5人の高校生が合格した。

合格者は県立美来工科高校3年の4人と県立那覇工業高校2年の1人。今年から問題傾向が変わり、全国でも合格率19・3%という狭き門となっており、高校生による難関突破の快挙に生徒、学校、業界も喜んでいる。8月24日に試験、9月24日に合格発表があった。

◆美来工科/本田、国吉、長浜、鹿川君
 美来工科高の4人は8月4日~26日、福岡県のおんが自動車学校で合宿し、集中的に研修を受けた。運行管理者のほか、フォークリフトや普通自動車第一種免許も同時に取得した。マナー研修や安全運転研修なども受けた。
 本田隆太郎君は「3週間という短い間にいろいろな資格講習を受けて、あっという間だった。(資格取得だけでなく)フォークリフトやマナー研修なども受けてきた。就職したら即戦力として生かせればいいなと思う」と自信を見せた。
 国吉真太君は「毎日きっちり日程が詰まっていてつらかった」、長浜直杜君は「毎日の勉強が大変で、宿舎に戻るとすぐに寝てしまうほど疲れた」とそれぞれ合宿の厳しさを説明する半面で「合格を知ったときはうれしかった」と語った。鹿川寛斗君も「就職に役立つのでうれしい」と喜んだ。
 県トラック協会の国吉保武会長は「運行管理者は会社のキーマンで、いないと事業は成り立たない。業界で活躍できる人材になれる。これからも勉強を続けて沖縄の物流のために頑張ってほしい」と激励した。

◆那覇工業/下地貴大君 運送業に興味湧く
 那覇工業高校からは下地貴大(たかひろ)君が合格した。下地君は夏休み期間中に学校で試験勉強した。試験の8割が法律に関する問題で、覚えることが多く「朝から夕方までずっと過去問題を解いていた」と話す。
 合格通知が届いてうれしさが込み上げてきたという。将来の道はまだ決めていないが、今回の合格を機に「運送業に興味が湧いてきた」と語った。
 自動車科の屋良朝之教諭は下地君を「頑張り屋な性格だ。時間をかけて一生懸命問題を解いていた」と評価した。運行管理者は全国的に需要が大きく「入社したら会社の幹部候補として位置付けられる。就職する際の強みになる」と喜んだ。同校では昨年、県内で初めての合格者を出した。

美来工科高校の(前列左から)鹿川寛斗君、国吉真太君、本田隆太郎君、長浜直杜君=2日、那覇市の県トラック協会
運行管理者試験に合格した那覇工業高の下地貴大君=2日、浦添市の県立那覇工業高校