東京国体 知念勇斗が優勝 重量挙げ少年男子53キロ級


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少年男子53キロ級 ジャークで110キロを挙げる知念勇斗=5日、東京都のくにたち市民総合体育館(金良孝矢撮影)

 【東京国体取材班】第68回国民体育大会(スポーツ祭東京2013)の重量挙げ競技が5日、東京都のくにたち市民総合体育館で行われ、少年男子53キロ級の知念勇斗(豊見城高)がスナッチ86キロ、ジャーク110キロ、トータル196キロで完全優勝を飾った。

知念は3月の全国高校選抜大会、8月の全国高校総合体育大会に続いて三冠を達成した。
 知念は「沖縄の皆さんの期待に応えたかった。三冠が取れてうれしい」と喜んだ。カヌーの少年男子カナディアンペアでは大城就一(沖縄水産高)と仲宗根脩真(同)が準優勝した。

◆底知れぬ逸材 漂う風格、全国3冠
 小さな体に底知れぬ可能性を秘めている。競技歴は約1年半。少年男子53キロ級の知念勇斗(豊見城高)は高校選抜と北部九州総体を制し、初めて挑んだ国体でも表彰台の一番高いところに立った。「目指しているのはオリンピックの金メダルです」。表彰式後のヒーローインタビューで力強く宣言し、笑顔を輝かせた。
 プラットホームに立つ姿から風格が漂う。スナッチではほぼ全ての選手が試技を終えたころに登場した。ゆっくりと歩を進め、バーベルの前に立つ。「よしっ」と気合を入れると、83キロを成功させてトップに立った。西尾(岐阜)が85キロを挙げて食らいつくと、すぐさま86キロを挙げて優勝を決めた。
 ジャークでも再び西尾との戦いになり、「プレッシャーもあったけど負けたくないという気持ちが強かった」と振り返る。相手が先に105キロを成功させても焦ることなく、「きれいなフォームで決めることだけを意識した」。1回目の試技で105キロを挙げて並ぶと、2回目に110キロを成功させて優勝を引き寄せた。
 一方で「初めての国体で緊張した」と言い、スナッチとジャークともに3回目の試技では失敗した。「優勝できたけど、試合の中身には満足していない」。三冠を達成しても浮かれることはなく、「オリンピックを目指すために、もっと自分に厳しくして練習を頑張りたい」と言い切った。(平安太一)