那覇市、ごみ直接持ち込み3.5倍 自宅前に出すより安い?


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 那覇市の一般住民が家庭のごみを出す際に、ごみを処分している那覇・南風原クリーンセンターに直接持ち込む年間件数が昨年度は約2万5千件に上り、6年前と比べ約3・5倍に急増していることが分かった。

1枚30円の家庭用ごみ袋を使って自宅前に出すよりも、直接持ち込むと、負担額は10キロ当たりで54円安く済むことが主な理由。市が9月30日に開いた第2回環境審議会では、ごみ袋を利用している市民との不公平感を考慮し、ごみを持ち込む場合、10キロ当たり21円から60円に値上げする答申案をまとめた。60円は県内の他10市の中で最も高い額に合わせた。
 クリーンセンターへ直接持ち込む家庭系ごみは2006年は7022件(622トン)に対し、12年度は2万4813件(1618トン)だった。センターは、直接ごみを持ち込む一般車両への対応に追われてきた。市の担当者は「周辺地域への環境悪化や事故の危険性が増すので、できるだけ抑制したい」と話した。
 一方、那覇市が市の事業系一般廃棄物(ごみ)処分手数料を10キロ当たり現行の90円から110円への値上げで検討していることについて、他県中核市のごみ処分手数料は処理原価に対して53%が平均で、その割合に金額を設定した場合、那覇市では140円相当になることが分かった。
 市の事業系ごみの処理原価は10キロ当たり266円(11年度)で、市は審議会で140円への値上げを提案したが、市民代表や学識経験者ら11人で構成する委員から「50円の値上げはあまりにも大きすぎる」などの意見があり、110円の答申案でまとまった。早ければ14年4月から6年ぶりの値上げとなる。
 委員からは「事業者側の意見を聞かないと判断しづらい」「130円までは理解できる」などの意見も出た。また「値上げはごみ排出量の抑制につながる」との指摘もある一方、値上げしすぎると不法投棄を誘発する懸念もある。12年度、那覇市の事業系ごみは3万3931トンだった。
 事業系ごみは許可業者が収集し、クリーンセンターに搬入している。同センターを運営する那覇市・南風原町環境施設組合が許可業者から処分手数料を徴収している。