知事、辺野古は「不可能」 外相、防衛相と会談


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
仲井真弘多知事(左)の要望を聞く(右から)岸田文雄外相、小野寺五典防衛相=那覇市の沖縄ハーバービューホテルクラウンプラザ

 仲井真弘多知事は8日午後、来県した岸田文雄外相、小野寺五典防衛相と那覇市内で会談した。知事は米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画について「唯一実現可能な案というのは全く理解できない」と述べ、日米両政府が3日の安全保障協議委員会(2プラス2)で合意した内容を批判し、県内移設は「不可能」だと強調。「実現可能性、迅速性を考えると県外が明らかに早い」と県外移設を重ねて求めた。

 2プラス2の基地負担軽減策や、外相が発表した犯罪米兵処分の通知に関する日米地位協定の運用見直しは「前進している」と一定の評価を示した。
 知事は会談後、記者団に対し、辺野古移設に向けた埋め立て申請の可否判断について「11月末に出される名護市長の意見を聞かないと最終的な判断ができない」と述べるにとどめた。
 小野寺氏は会談で普天間に配備されたオスプレイ訓練の県外・国外移転の促進へ「米側と調整したい」と意欲を示した。これに対し知事は「県民の不安は払拭(ふっしょく)されていない」と配備見直しをあらためて求めた。ホテル・ホテル訓練区域の使用制限解除や返還予定地の立ち入り調査などの新たな負担軽減策には「具体的な内容を示し、進めてほしい」と注文した。
 会談後、小野寺氏は知事が辺野古移設に難色を示したことについて「雰囲気は決して悪くなかった。負担軽減の努力を積み重ね、埋め立て承認をしてもらう努力をしたい」と述べた。岸田氏は「丁寧に議論を進めたい」と話した。
 仲井真知事は8日夜、岸田氏と那覇市内で会食。会食後、記者団に「普天間移設などの話はしていない」と説明した。岸田氏と小野寺氏は在沖米軍トップのウィスラー四軍調整官(海兵隊中将)や県内経済界代表とも会談し、負担軽減策などを説明した。
英文へ→Okinawa Governor says moving Futenma Air Station to Henoko is impossible