ボクシング金城、僅差判定準V 東京国体最終日


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 【東京国体取材班】第68回国民体育大会(スポーツ祭東京2013)最終日は8日、東京都内で陸上などが行われ、総合閉会式で11日間に及ぶ熱戦の幕を閉じた。男女の総合成績(天皇杯)で沖縄は43位(719・5点)で、目標としていた30位台を逃した。

ボクシング成年男子ライトウエルター級の金城大明(那覇高―東洋大)は決勝で判定負けし、準優勝となった。ボクシングの沖縄は総合で8位入賞を果たした。

◆金城、手数圧倒も足止まる
 審判は相手選手の腕を上げた。判定は1―2。僅差だった。激しい打ち合いを終えた金城大明(東洋大)は徒労感と悔しさの入り交じった表情で空中を見詰めた。「足が動かなかった」。自らの敗因を受け止めながら、「試合は次につながる内容だった」と前向きに語った。
 決勝にふさわしく、両者一歩も引かない激戦だった。1回。互いにけん制するように距離を取り、フェイントを交えながら出方を見極める。金城が足をうまく使って攻めれば、相手は懐に切り込んでジャブを刻む。2回に入ると徐々に熱が高まる。金城が近距離から連打で攻めれば、相手が鋭いストレートで応戦する。
 3回、激しさは最高潮に達した。金城は疲れの見え始めた相手をフェイントで崩し、顔面やボディーに強烈なストレートを打ち付けた。近距離からの連打もさえ、手数で圧倒した。しかし、序盤から使い続けた足に疲労が蓄積し、思うような動きができなくなった。相手も最後まで攻撃の手を緩めず、あと一歩で勝利を逃した。
 「相手のパンチは切れがあった」とライバルをたたえながら、「自分もフェイントをうまく使えた」と手応えを感じている。セコンドで支え続けた金城眞吉監督は「ガードが甘かった」と課題を指摘する。そして「今日の負けを思い出して努力したらもっと強くなれる」とまな弟子の成長を願った。(平安太一)

◆総合8位入賞 「上位狙える」
 ボクシングは沖縄が総合32・5点で福岡と同列の8位入賞を果たした。成年の金城眞吉監督と少年の瀬良垣世堅監督は「選手たちが頑張ってくれた」と口をそろえる。それでも「まだまだ上に行ける」とさらなる強化を誓った。
 今大会は成年の金城大明(東洋大)が準優勝、東江勇太(平成国際大)が3位、高江洲正達(東洋大)がベスト8と健闘した。少年は3選手がベスト8入りして実力を見せつけた。主将を務める東江は「みんなの頑張りと支え合いでこの結果が生まれた。来年は一人一人がもっと練習して、1位を狙いたい」と決意を込めた。
 瀬良垣監督は「少年は僅差の判定もあって力の差はなかった」と各選手に上位を狙える力があったことを強調する。金城監督は「まだまだ課題がある。気を緩めず、もう一踏ん張りしたら上位を狙える」と強調した。

成年男子ライトウエルター級決勝 3回、鋭い攻撃で相手を圧倒する金城大明=8日、東京都の日野市市民の森ふれあいホール(桑原晶子撮影)
総合成績で8位入賞を果たしたボクシングの沖縄選手団