沖縄戦後、ハワイからヤギ寄贈 映像を発見、公開へ


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ハワイから沖縄に贈られたヤギを撮影した映像の一部=1949年ごろ、県内 (県平和祈念資料館提供)

 沖縄戦後、食糧不足の沖縄を援助するため、ハワイに移民した県系人らが沖縄にヤギを贈った様子を撮影した、カラーの動画映像がこのほど見つかった。映像は県平和記念資料館の職員が収蔵庫から見つけたもので、10日から同資料館で始まる特別企画展「ハワイ日系人が見た戦争と沖縄」で公開する。

 企画展を担当する功刀(くぬぎ)弘之さんは「ハワイから豚が贈られた話は有名だが、ヤギの話はあまり知られておらず、貴重な資料だ。映像を通して当時のことを県民に伝えたい」と話した。
 映像はヤギを贈った県系移民が撮影したとみられる。米サンフランシスコでヤギを船に乗せ、うるま市のホワイトビーチに下ろす光景、各地の役所を訪問する場面など約1時間にわたる動画が鮮明に記録されている。
 ヤギは元ハワイ沖縄連合会会長でハワイ州議会下院議員も務めた故・佐喜真彰さんらが1949年ごろに贈った。米本土で約700匹を買い付けて寄贈し、主に乳用として活用されたという。
 企画展ではこのほか、ハワイの県系移民らが戦前から戦後にかけて沖縄とどのように関わってきたかを伝える資料など100点余を展示する。