御冠船踊を復活 平良恵子、創作「花心」を初披露


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「花心」を踊る平良恵子=9月27日、浦添市の国立劇場おきなわ

 玉城流翔節会の平良恵子師範の第6回リサイタルが9月27日、浦添市の国立劇場おきなわで行われた。4月の東京公演成功を記念して企画された。東京で披露した創作若衆踊「菊の錦(ちくぬにしち)」と同様に、御冠船踊の復活を試みた創作女踊「花心(はなぐくる)」を初披露した。

 「花心」「菊の錦」は曲と歌詞、採り物の記録が残されており、踊りは平良が新たに振り付けた。「花心」は「赤さこはでさ節」「真福地のはいちやう節」「しやうんがない節」を用いるが、珍しい選曲という。繊細な手の動きや花笠を使った女性らしい所作で、花をめでる優しい気持ちを表した。菊を手に踊る「菊の錦」は、清らかではつらつとした雰囲気だった。
 特別出演の玉城節子家元も、自ら振り付けた復活曲「花籠(はなかぐ)」を舞った。今後、御冠船踊の復活が盛んになることを期待したい。
 県指定無形文化財「紅型」保持者・藤村玲子の紅型に着想を得た創作「綾船の御状(あやふにぬぐじょう)」(平良原案・作舞、眞境名正憲構成・作詞)も披露された。進貢船で派遣された夫の帰りを待つ妻がテーマ。夫の手紙を胸に抱くなど物語性の強い踊りが楽しめた。中踊の「述懐節」で一気に感情が高まり、劇的な展開で盛り上げた。