昨年5月のオスプレイ事故 「クラスA」と専門家指摘


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 【米ワシントン=島袋良太本紙特派員】アフガニスタンで昨年5月に起きたとされる米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの着陸失敗事故について、軍事評論家のカールトン・メイヤー氏は11日、本紙に対し、インターネット上で公開された写真を基に事故の度合いが最も重大な「クラスA」に分類される規模だと指摘した。

一方、米海軍安全センターのまとめによると、同事故はクラスAの事故として報告されておらず、メイヤー氏は海兵隊がクラスA事故を隠蔽(いんぺい)した疑いが強いと指摘している。
 事故は交流サイト「フェイスブック」で事故機と海兵隊員が写った写真が公開され、ことし9月に広く転載されたことから発覚した。その後、写真に写った本人だと名乗り出た海兵隊員の証言によると、事故は昨年5月、武装勢力掃討作戦の最中に発生した。飛行中に気流が乱れて機体が傾き、「ハードランディングした」という。
 メイヤー氏が事故機の写真を分析したところ、少なくともエンジンカバーと左車輪、燃料タンクと胴体をつなぐ「スポンソン」と呼ばれる部分が損傷し、被害額はクラスAに該当する200万ドル(約2億円)を超えると推定されるという。
 メイヤー氏は事故がクラスA事例として分類・公表されていないことについて「海兵隊は事故が公衆に知られずに起きたような場合は、報告しようとしない」と述べ、隠蔽の疑いがあると指摘した。米海兵隊はオスプレイについて「クラスAの事故率が低く、安全な航空機」などと説明している。