沖縄に重要な役割 東アジア安保 米中台の研究者議論


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 県は11日、東アジアの平和と安全保障をテーマにした「万国津梁フォーラム」を那覇市内で開いた。尖閣問題で日中関係が緊張している現状を踏まえ、国内ほか米国や中国、台湾の研究者が意見交換し、アジアとの交易や沖縄戦などの経験を持つ沖縄が東アジアの平和維持に重要な役割を果たすとの見解で一致した。

 米ジョージワシントン大のマイク・モチヅキ教授は「軍事的な抑止力で長期的な平和は維持できない。国同士の信頼関係が重要で沖縄が果たす役割は大きい」と強調した。
 台湾中央研究近代史研究所の林泉忠副研究員は、沖縄は文化や価値観で相手を魅了し、地域の秩序に影響を与える「ソフトパワー」を持っていると指摘。「沖縄の歴史的経験や徹底した平和主義から来る比類なきソフトパワーが東アジアの平和に貢献する時代が来る」と述べた。
 政策研究大学院大の道下徳成准教授は「中国は本格的な戦争をしたいとは考えていない。小規模な衝突が起こらないようにする危機管理が大事だ」と主張した。
 仲井真弘多知事は冒頭あいさつし、「地域の安全保障に関する議論を深め、基地問題の解決につなげたい」と狙いを語った。ほかに東大大学院の高原明生教授、ジョージワシントン大学の楊大慶准教授、中国人民大国際関係学院の時殷弘教授、台湾中央研究院欧米研究所の林正義研究員らが登壇した=写真。