「コザ騒動」3Dで再現 沖縄市が無料アプリ提供


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コザ騒動の発生現場を3D立体画像で再現したアプリ「沖縄の怒りと悲しみが燃えた夜『コザ暴動』」

 【沖縄】沖縄市(東門美津子市長)は、県内外に同市の沖縄戦後史を発信するため、米軍統治下の1970年に発生した「コザ騒動」の現場を、3Dの立体映像で再現したコンピューターグラフィックス(CG)を閲覧できるアプリ「沖縄の怒りと悲しみが燃えた夜『コザ暴動』」を作製した。修学旅行の歴史学習での活用を見込み、今月から無料アプリの提供を開始している。

 コザ騒動は、米兵による人身事故をきっかけに、70年12月20日未明から明け方にかけて、沖縄市の国道330号やゲート通りで発生した。米兵による凶悪事件や性犯罪など、米軍統治下で続く人権抑圧に怒る住民ら数千人が、米人車両約80台を横転させて炎上させた。
 アプリでは、騒動時の写真資料を参考に、米人車両が炎上した市内7カ所の現場を3D画像で表現。当時の沖縄市の建物や看板、道路などの街並みもリアルに再現し、360度全方位を視聴することができる。アプリの地図中に表示された現場に近づくと、騒動時に撮影された写真約20点も見られる。
 スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレットパソコンに、アプリサイトから無料で取り込むことができる。同市の戦後史の解説資料をまとめたページもある。
 市は県や沖縄観光コンベンションビューローと連携して、修学旅行の誘致促進を図るコンテンツとして活用する。
 担当する市文化観光課の與那嶺良一副主幹は「アプリを活用したボランティアガイドなども整備して、修学旅行生や観光客に新たな戦後文化の学習体験の場を提供したい」と意気込んでいる。
英文へ→Okinawa City provides free 3D app “Koza Riot”