民間戦争被害者、統一原告団を結成 謝罪と賠償求める


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戦争の犠牲者に黙とうをささげる沖縄戦被害・南洋戦被害国家賠償訴訟の原告ら=12日午前、那覇市の県男女共同参画センターてぃるる

 戦争で家族を失った人やけがを負った人、財産を奪われた人が国に対して謝罪と賠償を求める民間戦争被害国家賠償訴訟の原告団総会が12日、那覇市の男女共同参画センターてぃるるで開かれた。昨年提起された沖縄戦被害訴訟と、ことし8月に提起された南洋群島の戦争被害訴訟の両原告団の上部組織として「統一原告団」を結成した。

 「統一原告団」は両原告団をより効率的に運営するのが狙い。名称は「沖縄戦被害・南洋戦被害国家賠償統一原告団」とし、団長には沖縄・民間戦争被害者の会の野里千恵子団長(77)が就任した。
 野里団長は「国に対して訴える時に、別々の団体ではなく、大きな束として訴えていく。沖縄戦でも南洋群島の戦いでも、民間被害者で補償を受けていない人はまだまだたくさんいると思う。ぜひ声を上げてほしい」と話した。
 沖縄戦訴訟は70人、南洋群島の戦争訴訟は24人の原告が参加している。瑞慶山茂弁護団長は「裁判の目的は戦争をした国に謝罪と補償を求め、それを通じて恒久平和を確立することだ。法廷の外でも大きな世論をつくっていきたい」と話した。
 沖縄・民間戦争被害者の会の定期総会も開かれ、民間戦争被害者を対象に含める新援護法制定運動を推進していくことなどを確認した。会員らは自身の戦争体験を報告し、共有し合った。