オスプレイ訓練 高知県知事、防災重視し受け入れ


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「やえせまつり」であいさつする尾崎正直高知県知事=19日、八重瀬町

 高知県の尾崎正直知事は19日、同県で25日に行われる米軍垂直離着陸輸送機MV22オスプレイを使った日米共同の訓練について、防災訓練という側面から受け入れたことを明かした。その上で、軍事訓練として行われることには警戒感を示した。19日、八重瀬町で開かれたイベントに参加するため来県し、琉球新報社の取材に答えた。

 尾崎知事は、オスプレイの低空飛行に強い懸念を示し続けているが、訓練受け入れについて「沖縄の負担軽減につながる場合があるかもしれないが、それよりも防災訓練として受け入れた」と説明した。
 日米共同の防災訓練の意義については「南海トラフ巨大地震は東日本大震災よりも巨大な被害がある恐れがあり、外国からの支援は不可欠だ。早くから訓練をしていた方がいい」と指摘。「訓練して互いに知り合っておくことは大事だし、防災対応の時にどのような形で受け入れるかのルール作りは必要だ」と強調した。
 その上で「軍事訓練とは一線を画して取り組んでいくことが大事だ」と述べ、軍事的な意味合いで訓練が行われることがないようくぎを刺した。
 高知県は米軍の日本での飛行訓練ルートの一つ「オレンジルート」にかかる。尾崎知事は、全国でオスプレイの低空飛行訓練が行われることが明らかになって以来、オスプレイ配備に強い懸念を示しており、6月15日の会見では「安全性が確保されていない機体で訓練されてはたまらない」と強調。7月26日の会見でも「低空訓練をするのは絶対反対」と述べている。
 さらに、25日の防災訓練を受け8日、中国四国防衛局の藤井高文局長に対し、日米合同委員会合意を順守し、低空飛行をしないよう強く求めていた。
 尾崎知事は八重瀬町で開かれた「やえせまつり」に参加したほか、同町にある「土佐の塔」を訪れた。(村上和陽)