光るコミカルな演出 劇団美風華「割符」公演


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コミカルに「割符」を演じた(左から)嘉陽田朝裕、知念勝三、小嶺和佳子、当銘由亮=18日、浦添市の国立劇場おきなわ

 劇団美風華(嘉陽田朝裕代表)は18日、国立劇場おきなわで時代舞踊劇「割符(わいふ)」(伊良波尹吉作、嘉陽田演出)、時代明朗歌劇「貞女小」を上演した。「

割符」は嘉陽田が舞踊の選曲と振り付けを手掛け、コミカルな演出で沸かせた。県伝統芸能公演の一環。
 沖縄版シンデレラの「割符」は、主人公のウトミ(小嶺和佳子)が西森の神(小林美奈子)の力で美しくなり、若按司(当銘由亮)のお妃(きさき)選びに出掛ける。ウトミは若按司に見初められるが、魔法が解ける前に姿を消す。若按司と家臣の高志保(たかしっぷ)(嘉陽田)、目差志保(みさしっぷ)(知念勝三)は、ウトミの残した割符を手掛かりに行方を追う。
 若按司とお調子者の高志保、ぼんやりした目差志保のやりとりが観客の心をつかんだ。比嘉雪乃はウトミをいじめるまま母を憎たらしく演じ、主役を引き立てた。お妃選びに不細工な少女が紛れ込んだり、割符を合わせる場面で大小さまざまな割符が出てきたりと「最後まで笑いで引っ張る」演出が利いていた。
 嘉陽田の創作舞踊「海神の鼓動」「鳥島(とぅいしまー)」も披露した。「鳥島」は京太郎(ちょんだらー)の鳥刺し舞を題材に、切れのある動きで魅せた。その他の出演は山川宗春、大城沙都稀、棚原奏ら。地謡は國吉啓介、恩納裕。