台風27号 長期化、募る不安 南北大東、19人避難


社会
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台風27号を警戒して南大東村高齢者生活福祉センターに避難するお年寄りたち=23日、同センター(同村社会福祉協議会提供)

 【南大東・北大東】台風27号の接近で暴風が吹き荒れた南北大東村では23日、島民が朝から自宅や避難所に待機し、丸1日“缶詰状態”となった。

南大東村では同日午前、職員が独り暮らしの高齢者宅を訪問し、指定の避難所へ送り届けた。同村では11世帯17人、北大東村では2世帯2人が避難所に移動し、不安な一夜を明かした。
 大東島地方に台風が襲来するのは、10月に入って4回目。両村の防災行政無線は22日から台風の早期警戒を促し、外出を控えるよう呼び掛けた。
 バリアフリー設備が整う南大東村高齢者生活福祉センターには4人のお年寄りが避難した。心配そうな表情を浮かべ、テレビの台風情報を見詰めていた。
 金城君枝さん(83)は「友達もいるのでここは安心だ。家が飛ばされないか不安だ」と話した。宮城栄蔵さん(81)は「この台風は長引くと思う。24日もここに泊まるかもしれない。スピードを上げてくれればいいけど」と話し、顔をこわばらせた。
 お年寄りの世話をするためセンターに常駐する仲地ゆかりさん(41)は「1日たったら疲労感が出てくるかもしれない。食事も簡単な物しか提供できず、長引くとストレスがかかってくると思う」と、高齢者の体調を心配した。