九州高校野球開幕 八商工が初戦突破


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 来春の選抜大会出場の選考資料となる高校野球の第133回九州大会は26日、沖縄セルラースタジアムなどで開幕した。県勢は八重山商工と宜野座が1回戦に登場し、八重山商工が指宿商(鹿児島)を3―0で下し、2回戦に駒を進めた。宜野座は日章学園(宮崎)に2―6で敗れた。

 八重山商工は六回、バント安打にスクイズと小技を駆使して2点を先制。八回にも1点を加えてリードを広げた。投げては先発の馬場寿希矢が制球に苦しみながら完封した。
 27日は2回戦5試合があり、北谷公園野球場で八重山商工が早稲田佐賀と、沖縄セルラースタジアム那覇で沖縄尚学が日南学園(宮崎)、美里工が大分商とそれぞれ対戦する。

◆八商工、鮮やか“奇襲” 決めた連続スクイズ
 互いにチャンスをものにできず、じりじりした展開の中、八重山商工が鮮やかな“奇襲”で勝利を引き寄せた。0―0の六回、二つのバント安打で好機を築き、連続スクイズで走者をかえした。わずか8球で2点を先制。正確かつ大胆な攻撃に、球場が沸いた。
 先頭打者の具志堅忠憲がセーフティーバントで出塁、死球を挟んで金城功恭もセーフティを決める。無死満塁で打席には主将の市川海悠。「ここで決めないと流れを持って行かれる」。きっちり初球を一塁側に落として先制。県大会準決勝でスクイズを失敗していただけに「主将の仕事ができてよかった」と笑った。続く宮良当志郎も投手前に転がすスクイズを決め、さらに1点を加えた。
 「始めからバントはやろうと思っていた。相当練習したから」と伊志嶺吉盛監督。県大会ではバントミスが目立ったため、マシンを使った打撃練習でも多めにバントを取り入れてきたという。八回にもスクイズで打点を挙げた宮良は「決める自信はあった」と胸を張る。「八商工といえばエンドラン」。そんなイメージの裏を見事にかいた。
 「九州のチームはどこも格上だと思っている。コツコツ点を取る自分たちの形を崩さず、一戦必勝で目の前の相手に向かっていきたい」と市川。部員12人の力を結集し、8年ぶりのセンバツ切符を手繰りよせる。(大城周子)

◇きのうの結果
▽1回戦
八商工 3―0 指宿商(鹿児島)
日章学園(宮崎) 6―2 宜野座
▽2回戦
鎮西(熊本) 3―2 九州国際大付(福岡)
   (延長十四回)
波佐見(長崎) 12―9 杵築(大分)
神村学園(鹿児島) 7―3 西日本短大付(福岡)

◇きょうの試合
 【北谷】10時
▽2回戦
早稲田佐賀―八商工
鹿島(佐賀)―創成館(長崎)
【セルスタ】9時
▽2回戦
沖尚―日南学園(宮崎)
大分商―美里工
日章学園(宮崎)―多良木(熊本)

開会式で選手宣誓する美里工の高江洲大夢主将=26日、沖縄セルラースタジアム那覇(諸見里真利撮影)
八重山商工―指宿商 6回八重山商工無死満塁、先制のスクイズを決める市川海悠=26日、沖縄セルラースタジアム那覇(諸見里真利撮影)