オスプレイ不備多発 記録ミス167回、整備不適正112回


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 【米ワシントン=島袋良太本紙特派員】米国防総省監査室が、2008年10月から11年9月までの海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの整備記録を確認したところ、整備作業や書類作成に関するミスが多数見つかったとする監査結果を公表したことが分かった。報告は23日付で、「任務遂行に十分な状態でないまま機体を配備していた可能性がある」と指摘した。監査室は海兵隊に改善を求め、併せてその妥当性も証明するよう要求したことも明らかにしている。

 監査は6飛行隊を対象に行った。普天間飛行場への配備は12年10月からのため、同期間の監査の対象にはなっていない。
 それによると機体の状態を示す記録のミスが調査対象200回のうち167回確認された。機体の整備作業指示が不適正だったものは907回のうち112回あった。飛行隊の「運用担当者」による機器状態の報告も、4分の3は不完全または不正確だったという。
 オスプレイの機体整備に関しては米軍事専門紙「ディフェンス・ニュース」電子版が8月13日付で、10年に海兵隊のオスプレイが作戦遂行可能な状態だった時間は全体の53%にとどまり、残り約半分は整備中だったと報じている。11年の作戦遂行可能時間の割合は63%、12年は68%。
 同紙は米政府監査院(GAO)が09年、イラクでの作戦時にオスプレイの整備状態が作戦遂行可能だった時間について、従来のヘリコプターの割合を大幅に下回ったと指摘していることも紹介した。
 監査内容を25日に報じたAP通信はオスプレイについて「安全性の問題に関する評判を克服するのに苦労している」と説明。「作戦能力の高さで評価されている」とした一方、「昨年モロッコで起きた墜落事故を含め、事故の評判が沖縄での配備に抵抗を招いている」と指摘した。