キングス、福岡の猛追かわす bjリーグ第7戦


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キングス―福岡 第4クオーター、相手守備をかわしてボールを運ぶ狩俣昌也=26日、沖縄市体育館(桑原晶子撮影)

 プロバスケットボールbjリーグの琉球ゴールデンキングス(西地区3位=4勝2敗)は26日、沖縄市体育館でライジング福岡(同地区6位=3勝3敗)と今季第7戦を行い、68―61で勝利した。

第1クオーター(Q)は両者が互いにリードを奪い合うクロスゲームになったが、第2Qに入るとキングスが試合のペースを握った。スクーティー・ランダルが内外から得点を重ねればキブエ・トリムはゴール下で強さを発揮し、46―31とリードして前半を終えた。後半は福岡の激しい守りに苦しめられ、シュートが入らない時間が続いた。福岡の勢いに押されて第4Qに同点に追い付かれたが、最後は狩俣昌也の3点シュートなどで引き離した。福岡との第2戦は27日午後6時から同体育館で行われる。

琉球ゴールデンキングス(5勝2敗)
 68―61(21―19,25―12,11―17,11―13)
ライジング福岡(3勝4敗)

 【評】最終盤のシュート精度が試合の明暗を分けた。前半は攻守ともに勢いがあったキングスが試合を優位に進め、後半は福岡が積極的な守りから試合の流れをつかんだ。同点となった第4Q、キングスはシュートチャンスで確実に得点。一方の福岡はボールがリングにはじかれた。キングスがリバウンドを拾って攻撃チャンスを増やせたことも大きかった。(平安太一)

◆後半、自ら悪いペースに
 伊佐勉HC(キングス)の話 前半は自分たちでいいペースに持って行き、後半は自分たちで悪いペースに陥った。ディフェンスはゲームプラン通りに遂行できたが、簡単なシュートミスも多かった。お客さんの声援があったから勝てた試合だった。

◆後半いいディフェンス
 佐野公俊AC(福岡)の話 前半はキングスのプレッシャーの前にいいオフェンスができなかった。後半はいいディフェンスができたので、キングスのターンオーバーを誘うことができた。明日はもっと激しくプレーして、いいシュートを打てるようにする。

◆狩俣、山内 勝利の立役者
 狩俣昌也と山内盛久が大激戦で力を発揮した。前後半で試合の流れが入れ替わり、最後まで勝利の行方が分からなかった福岡との第1戦。狩俣は第4Qの最終盤に2本の3点シュートを決め、山内はハードな守備で福岡の攻撃を抑えた。
 最初に試合の主導権を握ったのはキングスだった。激しいプレッシャーで福岡のシュートミスを誘い、小菅直人の3点シュートなどで波に乗った。前半だけで15点の大差を付け、圧勝ムードが漂った。しかし後半、福岡が勢いを増した。第3Qの序盤にテンポ良く得点して攻撃のリズムをつかむと、守備では激しいプレッシャーでキングスを苦しめた。じりじりと点差を詰められ、第4Qには59―59と並ばれた。
 「ディフェンスからアグレッシブに行こう」。福岡に追い上げられる我慢の時間帯、狩俣と山内は言葉を交わした。第4Qの中盤にコートに送り出されると、言葉通りのプレーを見せた。山内はしつこいディフェンスで福岡の攻撃陣に仕事をさせず、狩俣は泥臭くボールに食らいついてチームのチャンスを演出した。
 「自分のミスから流れを悪くしてしまった」という狩俣は、自らの得点で勝利を決定づけた。「自分を使ってくれたコーチの期待に応えたかった」と狩俣は安堵(あんど)の表情を見せ、山内は「(狩俣が)2本決めて勝利を呼び込んだ」と仲間の活躍を喜んだ。
(平安太一)