那覇空港に航空機整備基地 県、用地確保向け国と交渉


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航空機整備基地建設予定地

 県は那覇空港内の航空自衛隊地対空誘導弾パトリオット(PAC2、PAC3)用地の一部に民間航空機を整備する「航空機整備基地」を建設する方針を固め、防衛省、国土交通省と用地確保に向けた交渉を開始していることが28日までに分かった。

県は2015年度中に運用を開始し、300人の雇用創出を見込んでいる。防衛省関係者によると、同省は県の提案を前向きに検討し、国交省と調整している。
 県は21世紀ビジョン基本計画で臨空・臨港型産業の集積による国際物流拠点形成を目的に、航空機整備基地の設置を掲げている。13年度予算で調査費を計上しているが、那覇空港内は敷地が狭く、用地確保が課題となっていた。パトリオット用地は防衛省の管理だが、国交省に土地使用権を移管し、整備基地として利用する形を想定している。
 県は21日、基本設計業者の公募を開始した。公募によると、整備基地の面積は4万平方メートル(施設面積2万平方メートル)。関係者によると、建設費用は約100億円規模になる見通し。
 県が建設し、事業者が賃借し運営する方式で、事業者を公募する。県などによると、全日本空輸(ANA)が進出を打診しているほか、日本トランスオーシャン航空(JTA)も既存の整備施設の拡充を求めている。
 3月に首相官邸で開催された安倍晋三首相と全閣僚、仲井真弘多知事が出席する沖縄政策協議会(主宰・菅義偉官房長官)で知事がパトリオット用地の利用を提案し、協力を求めた。防衛省関係者によると、その際に小野寺五典防衛相は前向きな発言をしていた。
 一方、使用手続き変更に伴う自衛隊施設の移転や地主への説明が課題として残る。政府関係者は「県と話し合いながら、県の計画、構想に合わせていきたい」と述べた。(池田哲平)