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沖尚、好機逃さず一気 秋季九州高校野球・決勝

 高校野球の秋季九州大会(第133回九州大会)最終日は10月31日、沖縄セルラースタジアム那覇で決勝戦を行い、沖縄尚学が4―3で美里工に逆転勝ちし、2年連続の秋季大会優勝を果たした。春季も含めた九州大会としては2季ぶり3度目の栄冠。同大会で県勢同士が決勝を戦うのは史上初めて。

両校は来春の選抜大会出場がほぼ確実となっている。試合は両チームがリードを奪い合うシーソーゲームとなった。初回に美里工が花城航の中前打で先制すれば、沖尚は四回に伊良部渉太の三塁打で逆転した。美里工は六回無死満塁から代打・安座間樹の犠飛で再びリードを奪ったが、沖尚は八回に代打・金城太希の左前打で2点を加えて勝負を決めた。沖尚は11月16日に開幕する明治神宮大会に九州地区代表として出場する。

◆代打金城 執念の強振/宿敵同士 熱戦に決着
 地鳴りのようなどよめきの中、白球が左翼へ抜ける。打席の代打・金城太希は勢い余ってよろけるほどのフルスイング。走者2人が本塁へなだれ込み、沖尚ベンチに笑顔が弾けた。1点を追う八回2死から3連打で2度目の逆転に成功、試合を決めた。相手の12安打3得点に対して5安打で4得点。一打に懸ける執念が、勝利の女神を振り向かせた。
 九州大会史上初の沖縄勢による頂上決戦。「味わったことのない雰囲気だった」と比嘉公也監督は言う。四回に沖尚が逆転すれば、六回に美里工が再び逆転する。互いによく知り尽くした宿敵同士、まさに手に汗握る展開だった。それでも、沖尚ナインが浮き足立つことはなかった。思いは一つ。「同じ相手に2度負けるわけにいかない」
 県秋季大会の決勝で2安打完封負けしてから、実戦を想定した打撃練習に励んできたという。八回に口火を切った安里健は3球勝負の球を右前へ鋭く返し、続く上原康汰は初球を二塁打にするなど、強気の打撃に成果を見せた。決勝打を放った金城は、県決勝は最終回2死から代打で出て見逃しの三振。「絶対に打ちたかった。最高としか言えない」と誇らしげに笑った。
 九州の覇を争うチームが同じ県内にいる。「嫌ですよ」と比嘉監督はおどけるが、熱戦の余韻をかみしめた県民にとっては春のセンバツが待ちきれない。(大城周子)

◆活発打線も実らず/美里工、大舞台で飛躍誓う
 球場を覆う雨雲を切り裂くような快音が鳴り響いた。美里工打線が初回から勢いに乗り、大技、小技を絡めて何度も得点機をつくり出した。安打数は沖尚を大きく上回る12。しかし得点が欲しい場面で沖尚の好守備が飛び出し、好機をつぶされた。「(沖尚は)守備がしっかりしていた」。神谷嘉宗監督は敗戦を受け止め、相手をたたえた。
 美里工は沖尚のエースの立ち上がりを攻めた。初回1死から西藏當祥が低めの球を中堅の左前に運ぶと、「先制のチャンスをつくろう」と一気に二塁を陥れた。続く宮城諒大は「つなぐことだけを考えた」と左前打で続き、4番の花城航は鮮やかな中前打で西藏當を本塁にかえした。逆転を許した直後の五回には2死二塁から宮城が左中間を破る適時三塁打を放ち、同点に追い付いた。
 六回には無死満塁から犠飛で勝ち越したが、続く1死一、二塁の好機で後続を断たれた。八回には1死一、三塁でスクイズを阻止された。宮城は「もったいない試合だった」と肩を落とし、主砲の花城は「(沖尚は)投手を中心に安定していた」と悔しそうだった。
 それでも九州大会の序盤におとなしかった打線は準決勝、決勝と奮起した。花城は「投手陣を助けようとみんなで話し合った」と振り返り、「今日の負けを甲子園につなげたい」と大舞台に向けて飛躍を誓った。
(平安太一)


沖尚―美里工 8回沖尚2死二、三塁、左前へ逆転の2点適時打を放つ代打の金城太希=31日、沖縄セルラースタジアム那覇(渡慶次哲三撮影)

沖尚―美里工 1死一、三塁。中前に先制の適時打を放つ美里工の花城航=31日、沖縄セルラースタジアム那覇(渡慶次哲三撮影)


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