「おきなわCAP」法人化10年 子の虐待防止へ活動


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教師や保護者が、子どもを暴力から守る方策を考えた「おきなわCAPセンター」の研修会の参加者たち=10月30日、那覇市立仲井真中学校

 子どもへの暴力防止を目的に活動してきた人権教育団体「NPO法人おきなわCAPセンター」(長田清代表)が2003年のNPO法人化から、ことしで10周年を迎えた。これまで、保育園や小中高校などに赴いて体験参加型のワークショップを開き、人権を考え、子どもたちの問題解決能力を引き出す取り組みを続けてきた。

 ワークショップ体験者の中には、暴力ではなく言葉で気持ちを伝えるようになったり、いじめられている子の力になりたいと行動するようになったりと、変化が芽生えた子どもたちもいる。同センターの糸数貴子事務局長は「必要な情報と適切な助言があれば子どもは変わる」と実感を込める。
 「CAP」は、いじめ、虐待、性暴力など子どもに対する暴力から身を守る方法を学ぶ教育プログラム。NPO法人化前の1997年以降、ことし3月までにワークショップを約2435回開いた。講師は、誰もが安心、自信、自由の三つの権利を持っていると伝え、いじめ、虐待、性暴力、体罰などを受けて、これらの権利が脅かされていると感じることがあれば「周りの人に相談しようね」と語り掛ける。
 10月30日に那覇市立仲井真中学校で、教師向けに開かれたワークショップでは、中学生が同期生にお金を奪われる場面を講師2人が演じた。講師が「(被害者は)どうすれば良かったでしょうか?」と問い掛ける。参加者は対応策を出し合い、自分なりの対処法を考える。
 同中学校では2年前から生徒対象のワークショップが開かれ、例年1年生全員が受講している。
(高江洲洋子)