コラソン 薄氷の勝利 JHL、豊田合成に27―26


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琉球コラソン―豊田合成 前半、7メートルスローを止める琉球コラソンのGK内田武志=4日、浦添市民体育館(金良孝矢撮影)

 日本ハンドボールリーグ(JHL)の琉球コラソンは4日、浦添市民体育館で豊田合成と対戦。27―26で競り勝ち、連敗を2で止めた。コラソンは序盤にパスミスが目立ち、相手の逆速攻で一時5点差までリードを広げられた。

しかし、GK内田武志の好セーブなどで流れを引き寄せて逆転に成功した。14―11で迎えた後半は再び相手に詰め寄られたが、同点の場面から連続で得点を奪うなどして1点差で逃げ切った。コラソンは通算成績を3勝4敗とし、順位は一つ上げて6位となった。次戦は9日、愛知県の枇杷島スポーツセンターで大同特殊鋼と対戦する。

▽男子
琉球コラソン(3勝4敗)
27―26(14―11,13―15)
豊田合成(1勝1分け5敗)

 【評】琉球コラソンが緊迫のシーソーゲームを制した。序盤は硬さが目立ったが、名嘉真吾の連続得点やGK内田武志の好セーブからの速攻などで逆転に成功した。後半は6点のリードを奪った後、豊田合成の猛攻を浴びて再び同点に。豊田合成が退場者を出した終盤に着実に得点を重ねたコラソンが、1点差で逃げ切った。(大城周子)

◆見る人は楽しかった
 東長濱秀吉監督の話 序盤は元気がなかったが、(点を)取り始めたら取れるチーム。見る人は楽しかったんじゃないかと思う。年内で5、6勝し、上位陣を一つ二つ食っておかないとプレーオフが遠のく。次も対策を練って臨みたい。

◆守護神・内田が死守/冷静に対処、連敗止める
 琉球コラソンがわずか1点をリードし、試合時間は残り30秒を切った。豊田合成が右サイドから最後の攻撃を仕掛ける。守備をかわし、角度のないところからシュート。これをコラソンのGK内田武志が冷静に正面で止め、勝負が決した。手に汗握る展開に、詰め掛けた約1600人の地元ファンも興奮に包まれた。
 今後の順位争いを考えると落とせない一戦。豊田合成は今夏の全日本社会人選手権で3位に入るなど勢いもあり、激戦は必至だった。コラソンは立ち上がりにパスミスからの逆速攻でいきなり5点のリードを許すが、ここから立て直す意地を見せた。「シュートで攻撃を終わる」。約束事を徹底し、名嘉真吾のサイドシュートなどで逆転に成功。水野裕矢が5本の7メートルスローを全て決める活躍もあり、相手の7人攻撃など猛攻をしのいで逃げ切った。
 この日の主役は文句なしでGK内田だろう。「ものすごく集中できた。頭の中が真っ白という感覚」と好セーブを連発し、相手に流れを渡さなかった。7メートルスロー阻止率も5割超でリーグ首位を独走。正GKの石田孝一がけがで不調の中、存在感を示した。
 勢いに乗り、プレーオフ進出圏内の4位争いにも絡んでいきたい。そのためには、後半の途中にミスが出て失速するという課題を克服する必要がある。水野裕紀は「バリエーションを増やし、決定率を上げたい」とここからの巻き返しを誓った。(大城周子)