海上自衛隊で思想調査か 通話記録提供で誓約書も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【東京】防衛省が防衛秘密を取り扱う海上自衛官に対し、思想・信条などに関する調査書類や、携帯電話の通話記録提供を誓約する書類を提出させていた疑いがあることが分かった。

特定秘密保護法案を審議した11日の衆院国家安全保障特別委員会で共産党の赤嶺政賢氏が内部資料を示して指摘した。小野寺五典防衛相は「承知していない」と述べたが、調査が実施されていた場合は憲法が保障する思想・信条の自由に抵触する恐れもありそうだ。
 問題の書類は2009年10月付の「適格性身上明細書記入要領」で、共産党本部に郵送されてきたという。宗教や政治などの所属団体、家族、親族、友人、交際相手などの氏名、住所、生年月日、職業、国籍などの記入を求めている。
 情報保全部署が要求した場合は携帯の通話記録を提出したり、情報漏えいがあった時にはポリグラフ(うそ発見器)検査に協力するとした誓約書を出したりすることも求めている。
 赤嶺氏は本紙の取材に対し「特定秘密保護法でも国家公務員に対して同様の調査が実施される可能性が高い」との見方を示した。
 一方、法案を担当する森雅子内閣府特命担当相は12日の記者会見で「そのような誓約書があるという事実は承知していない」とした上で「特定秘密については(同様の調査は)あり得ない。本人の同意を得た上で法定に書いてある事項のみを調査する」と述べた。