辺野古めぐり応酬 名護市長選まで2ヵ月


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(左から)稲嶺進氏、末松文信氏、島袋吉和氏

 【名護】来年1月19日の名護市長選まで2カ月に迫った。最大の争点となる米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設問題をめぐり、移設に強く反対する稲嶺進市長(68)、移設を容認する末松文信自民党県議(65)、移設推進を掲げる島袋吉和前市長(67)が立候補を表明。

末松、島袋氏の反現職一本化調整は難航する中、各陣営は対決姿勢を鮮明にしている。
 「次の選挙で決着をつける。保守、革新ではなくウチナーンチュのアイデンティティーの問題だ」。稲嶺氏は18日夜、支持組織の事務所開きで移設阻止への決意を強調した。陣営は5月の出馬表明から着々と準備を進めている。市内各地で支持組織が立ち上がっており、地域の集会などの活動を地道に展開している。
 末松陣営は19日に市役所の市街地移転や県営総合運動公園の整備などの基本政策を発表。移設の容認姿勢を示して島袋氏との一本化を模索する一方、「相手は稲嶺氏」(陣営幹部)と懸命に態勢構築を図る。先週末から週明けには中谷元、額賀福志郎の両元防衛庁長官が相次いで駆け付け、経済界などに支持を求めた。
 島袋氏も中谷、額賀両氏と相次いで会ったが、「一本化の話はしない」ことが前提。額賀氏とは約1時間会談したが、一本化の話はなく、それぞれ閣僚・市長時代に共に進めた辺野古移設が話題の中心だったという。会談後、島袋氏は「自民党本部の方針に近いのは私。降りるわけがない」と一本化をきっぱり否定した。