辺野古案に「断固反対」 名護市長が意見案


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 【名護】名護市の稲嶺進市長は19日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設について「名護市民の誇りをかけて移設に断固反対する」として、移設に向けて政府が提出した辺野古沿岸部の埋め立て申請を仲井真弘多知事が承認しないよう求める市長意見案をまとめた。

意見書案は22日の市議会臨時会で賛成多数で議決される見通しで、29日までに県に提出する。稲嶺市長は「市として(移設を)認めるわけにはいかない。知事には承認しないようお願いしたい」と強く訴えた。
 公有水面の埋め立て手続きで地元首長が反対意見を出すのは極めて異例。12月以降と見込まれる仲井真弘多知事が行う埋め立ての可否判断に影響を与える可能性がある。
 稲嶺市長は記者団の取材に対し、戦後68年間も沖縄に米軍基地が集中し、米軍による事件・事故が頻発しているとして「子や孫たちに負の遺産を残す判断をすべきでない」と述べた。
 意見案はA4判23ページで、辺野古移設について生活環境や自然環境の保全が不可能であるとして不承認を要求。公有水面埋立法の要件を満たしていない事項として、安全性が懸念されるオスプレイの配備や埋め立てによる環境への影響、ジュゴンやウミガメなどの保全などを挙げた。
 さらに辺野古埋め立てにかかる国の環境影響評価(アセスメント)のずさんさを批判。在沖米海兵隊のグアムやオーストラリアへの移転計画を挙げ、「辺野古移設が唯一の解決策」とする日本政府の主張は整合性を欠くとも指摘した。
 文案作成に当たり8~10月に市民から集めた意見が約2500件に上り、そのほとんどが反対意見だったことにも言及した。
 市長意見は、公有水面埋立法に基づく手続きで、県が埋め立て予定地である名護市に提出を求めていた。

稲嶺進名護市長
名護市長意見案のポイント(クリックで拡大)