「辺野古推進」統一は困難 県内経済団体、国場氏発言に困惑


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 県内主要12団体でつくる県経済団体会議の国場幸一議長が安倍晋三首相らとの会談で、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設推進を「25日に会合を開き、(経済界としての)意思決定する」と述べた点について、各経済団体の長らからは20日、疑問と困惑の声が相次いだ。「経済団体会議としての会合は、政治問題を協議し意見をまとめる場ではない」「各団体でしっかり協議することが先決だ」など意思統一の難しさが浮き彫りになった。

 同団体会議事務局によると、25日に会合は開かず、28、29日をめどに日程を調整している。
 県商工会連合会の照屋義実会長は「経済的側面について県や政府に要望してきた。政治問題で意思統一したことはないだろう」と経済団体会議の組織としての性質に言及。「政治的な温度は各団体さまざまで取りまとめには無理がある」と述べた。オスプレイ配備反対県民大会にも触れ「あの時の県民の声や期待に応える行動を考えていきたい」とした。
 県工業連合会の湧川昌秀会長は「(辺野古推進の是非を)団体会議で話し合ったことはない。各団体が方向性を決めることは難しいのではないか」とした上で「いつかは賛否を判断しないといけないだろうが、時間が必要だ」と話した。
 県中小企業団体中央会の津波古勝三会長は「国場議長から(辺野古移設推進を首相に伝えたとの)連絡は一言も受けていない。自分たちの身内をまとめないことには、どうこう言える段階ではない」とした。
 県中小企業家同友会はオスプレイ県民大会に同友会の理事会で協議し共催団体として参加した。大城辰彦専務理事は「まず理事会で協議しないと前に進めない。政治的問題での団体会議での統一は難しく、仮に辺野古移設推進となっても、同友会として賛同することは厳しいだろう」とした。
 沖縄観光コンベンションビューローの上原良幸会長は、国場氏が「経済界からコメントを出せば、知事が(埋め立ての可否判断の承認を)決断しやすい材料になる」と主張したことに、「経済界が行動したことで、知事が態度をどうこう決めるということはないと思う」との認識を示した。
 JA沖縄中央会の新崎弘光会長は「(団体会議としての推進は)まったく聞いていない」と驚きを隠さず、辺野古移設については「判断できる立場にない」とし、JAグループとして立場の明確化は難しいとした。
 県情報産業協会の仲里朝勝会長は「これまで(辺野古移設が)議題に上がったことはないと思う。会員の中にはいろんな意見があるだろうし、一つにまとめることは難しい」と話した。