IC乗車券、来年10月開始 モノレール先行


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モノレールとバス共通のIC乗車券導入を説明する沖縄ICカードの仲吉良次社長(右から3人目)ら役員=25日、県庁

 沖縄都市モノレールと沖縄本島内の路線バスで共通に使えるIC乗車券は、2014年10月にもモノレールで先行運用を始め、15年4月からバス4社も含めた本格運用を開始する。

初年度のカード発行目標は3万5千枚で、10年後に35万6千枚まで拡大したい考え。電子マネー機能など機能拡張も計画している。
 沖縄独自の独立系カードで、県外のSuica(スイカ)やPASMO(パスモ)など交通系ICカードと相互利用はできない。
 IC乗車券を運営する「沖縄ICカード」の仲吉良次社長(沖縄都市モノレール社長)らが25日、県庁で事業概要を明らかにした。名称やデザインは来年1月に発表する。ICチップ付きカードのほかキーホルダー型なども用意する。
 沖縄ICカードはモノレール社とバス4社などが出資し、5社から徴収するカード精算手数料などが主な収入源となる。3年目の黒字転換を目指す。バスの車内読み取り機やモノレールの改札機、券売機などの機器整備は、一括交付金による県の補助金約20億円で賄う。
 県外交通カードと連携しなかったことについて仲吉社長は「全国の企画に加入すると開発費が現在の倍となり、毎年の維持管理費も億単位となる。沖縄の企業の体力では難しい。沖縄独自だと全国規格ではないものも自由に作れる」と説明した。
 沖縄ICカード取締役で県バス協会の合田憲夫会長(琉球バス交通社長)は「一般企業が導入するにはコストが高くつくが、県が資金面を含めて環境整備してくれありがたい。円滑な運用に向け取り組みたい」と述べた。今後は県内地銀や沖縄振興開発金融公庫などにも広く出資を呼び掛ける。