「再ブレーク盤」織田哲郎『W FACE』


社会
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ソロ30周年記念の2枚

 ソロ・デビュー30周年記念作。全16曲は1枚で収録できる長さだが、2枚に分けたことで個性が際立つ。
 『Red』盤では、ギターがうねるロックサウンドが目立ち、彼がこれまで結成したバンド数組を彷彿させる。

リード曲は、意外にも中島みゆきが作詞をし、織田が作曲を手がけた『Winter Song』。何もないことを実感する季節だからこそ、人を愛したいという内容だが、哀愁漂う歌声ゆえ、虚無感や再生への気持ちなど、意味が深まっていて興味深い。
 『Blue』盤では、演奏がシンプルになり、メロディーやボーカルが前面に出ている。栄養ドリンクCMで話題となった『あなたのうた』や自身の代表曲『いつまでも変わらぬ愛を』のセルフカバーはヒット作曲家の凄さが分かる。また、中年男の追想をつづった『aino uta』『チャイナタウン・ララバイ』などバラードも胸に迫る必聴ものだ。
 本作から、長く鍛錬すれば、激しくても静かでもブレない自分になれることを学ぶはず。
 (キング・3150円)=つのはず誠
(共同通信)
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つのはず誠のプロフィル

 つのはず・まこと 1968年生まれ。総合化学会社、音楽宣伝会社勤務を経て、T2U音楽研究所設立。音楽市場分析、コンピレーションCDの企画・選曲などを手がける。

W FACE
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