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【南城】オランダの絵本作家レオ・レオニの作品「スイミー」。同作品を敵討ちものに仕立てた「組踊版・スイミー」が26日、南城市文化センター・シュガーホールで上演された。
場面ごとにウチナーグチや標準語を使い分ける中堅・若手舞踊家の軽快な演舞を多くの親子連れらが楽しんだ。
上演は2013年度国立劇場おきなわ連携活用事業の一環。原作の主人公である小魚スイミーをスルル小(キビナゴ)に置き換えた組踊で、登場する海の生き物たちもグルクンやミーバイ、島ダコなど沖縄風にアレンジした新作組踊の一つ。登場する生き物も北海道や日本海からスルル小を助けに訪れるベニザケやサンマ、タラバガニなどコミカルに描いた。地謡では、スルル小の親兄弟の命を奪ったジンベエザメの登場場面に映画「JAWS」のテーマを三線、胡弓などで演奏するなど、ユーモアを交えた。
クライマックスの宿敵ジンベエザメを退治する場面では鮮やかな扇子を用いた一糸乱れぬ演舞を披露し観客を魅了した。
脚本・演出を手掛けた嘉数道彦さんは「組踊は約300年前の琉球王国時代にできた冊封使を歓待するもの」と紹介。2020年の東京五輪誘致で話題になった滝川クリステルさんの言葉を引用し、「組踊はおもてなしの一つ。多くの人に楽しんでもらえたら」と話した。
男性舞踊家の会による美男美女と酔男酔女の喜歌劇「馬山川」なども上演された。