戦没者遺骨に階級章 浦添市前田 身元特定の手掛かり


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発見された遺骨と旧日本軍のものとみられる遺品=2日、浦添市前田

 【浦添】浦添市前田の浦添南第一土地区画整理事業の地区内でこのほど、沖縄戦中に亡くなったとみられる男性3人の遺骨が見つかった。うち1人の発見現場では旧日本陸軍の階級章が出土しているのを遺骨収集ボランティア団体ガマフヤーの具志堅隆松代表が確認した。

具志堅代表は階級章の発見は珍しいとして「戦没者の身元特定や当時の戦況などをうかがい知れる貴重な資料」と指摘、心当たりのある遺族からの申し出を呼び掛けている。
 遺骨は市の発掘調査で11月27日に発見された。大腿(だいたい)骨や下顎骨、脛(けい)骨など少なくとも3人分の遺骨や銃床、鉄かぶと、軍靴、防毒マスクの一部なども見つかった。具志堅代表によると階級章には星が三つあり「戦没者は大尉か曹長クラスの兵士ではないか」と話している。階級章は11月後半の降雨で再び埋もれたという。ほか2人の遺骨は防衛隊や学徒隊の可能性もあるとした。
 市教育委員会は階級章について「現時点で把握していないが、引き続き確認作業を続けたい」としている。沖縄戦当時、前田地区には旧日本陸軍第24師団(通称・山部隊)歩兵第32連隊が駐屯していた。
 遺骨は県の戦没者遺骨収集情報センターが保管し、心当たりのある遺族の申し出を呼び掛けている。(当間詩朗)