自民那覇市議14人 普天間移設「県外」で結束


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 米軍普天間飛行場の移設先について、政府・自民党本部が名護市辺野古を推す圧力が増す中、同党那覇市議17人中14人が11月27日、「県外移設」を堅持する意思を表明し、党の沖縄1区支部の役職辞任を記者会見で発表した。

那覇市議会は過去5回、普天間飛行場の県外移設や県内移設断念を求める意見書を可決している。2日にも県内移設断念を求める6回目の意見書を全会一致で可決した。また、市議の多くは7月の市議選で県外移設を公約に掲げている。
 自民党所属の那覇市議3会派17人のうち、2会派(自民新風会・金城徹会長、自民・屋良栄作会長)の14人が自民党1区支部の役職を辞任した。自民・無所属・改革の会(久高友弘会長)の3人は「意見が合わない」ことを理由に、役職は辞さず、留任することを決めている。
 辺野古移設を容認した自民党の県関係国会議員や県連の「公約撤回」が有権者から批判されている。7月の市議選で、琉球新報のアンケートに対し、自民党所属市議17人のうち、15人が県外移設を公約に掲げた。
 自民党の那覇市議14人が「県外移設堅持」を表明した27日の会見では、自民新風会の金城会長が市議会として「県外移設」や「県内移設断念」を求める意見書を5回可決したことを強調した。「県内41市町村全ての首長と議会議長、県議会議長が署名した極めて重い『建白書』を安倍首相や主要閣僚へ手交した経緯」にも触れ、「公約の重さ、それを履行する責任は議会議員として当然の責務だ」と宣言した。
 さらに「自民沖縄1区支部長(国場幸之助氏)が表明した県内移設容認の立場と、私たち那覇市議団が議決してきた県外・国外との整合性が取れないため、ここに沖縄1区支部役員の辞任を表明する」と述べた。
 質疑応答で金城氏は「翁長雄志市長はわれわれと同じ考えだと理解している」などと強調した。
 安慶田光男議長は「私たちは自民党と相対するわけではない。総論賛成、各論反対だ。国防については当然日米安全保障条約を認めるが、だからと言って基地の負担を沖縄だけで背負うわけにはいかない。基地を沖縄に造るのには反対だ。われわれはこれ以上基地の負担は嫌だから、県外に持って行くべきだと主張している」との立場を示した。
 屋良氏は「党への愛着はある。だが党本部の一連のやり方は、一県民として残念でならない。そういう意味でも、一石を投じたい」と述べた。

「県外移設」堅持を表明する自民党の那覇市議ら=11月27日、那覇市の自治会館
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