水産庁、漁業支援基金に100億 日台協定影響を補償


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 【東京】水産庁は、日本と台湾が調印した尖閣諸島周辺の漁業権をめぐる取り決め(協定)で、影響を受ける県内の漁業者を支援するため、「沖縄漁業基金事業」として100億円の基金を創設する。

9日の自民党水産部会で決定し報告した。2013年度の補正予算として計上し、13日に正式に閣議決定する。
 県内の漁業事業者を対象に、今後5年間で基金を活用する方針。基金の活用については、水産庁、県、県漁業協同組合連合会などで協議し、県内に新たな機関を設置して日台漁業協定で影響を被る各漁業者に対して適切かつ平等に補償できるようにする。
 項目ごとに基金活用の基準を設ける。操業ルールの交渉などでの渡航費は「交流事業」として捻出できるよう検討。協定で日本の排他的経済水域(EEZ)の一部で台湾側の操業を認めたことによる出漁制限に対しては、「台湾漁船の操業実態調査」などの項目を設ける。漁場調査活動に協力するという名目で日当を手当てする方針だ。台湾漁船とのトラブルによる漁具の損害に対しても損失の一部を負担する。
 基金とは別に、「韓国・中国等外国漁船操業対策事業」として、漁具被害からの救済や漁場調査などの取り組みに対する支援として50億円を計上。日台漁業取り決めなどを踏まえた「漁船の取締体制の強化」として14億円を計上した。