琉球舞踊太圭流華の会は11月22日、国立劇場おきなわで「第1回孤島丘奈(こじまたかな)の会」を開いた。翌23日には、仲本久乃と鬼澤綾子が出演する「第3回若華の美風(みかじ)」を同劇場で開いた。
琉舞に軸足を置きながら異分野の芸能を経験した3人。古典や雑踊を真摯(しんし)に踊りつつ、広い視野を生かした創作や海外の踊りを披露した。
孤島師範は東京にいた17年前、佐藤太圭子家元が踊る「高平良万歳」を見て琉舞を志した。独演会は転機となった「高平良万歳」や、創作「旅人(たびんちゅ)」(山内昌也作詞作曲)などを披露した。
「旅人」は九州から来た旅芸人が、琉球に魅了され根付くという孤島自身に重なるテーマ。前半は日本舞踊の表現で、後半は琉舞の表現で振り付けた。
インドネシアに留学した仲本は、凜とした「高平良万歳」とはかなげな「花風」、バリ舞踊2題を披露した。バリ舞踊は絶えず繊細に動く指や、表情豊かな目が印象に残った。成功を勝ち取った若者の喜びを表す「タルナジャヤ」はエネルギッシュに踊った。
太鼓芸能集団「鼓童」出身の鬼澤は、「加那よー」や創作「おかぐら」などを踊った。「おかぐら」は周囲への感謝を込め、浄化の象徴である獅子を持って踊る。音楽は沖縄風にした江戸囃子(はやし)を用いた。
個性的な3人がどのような舞踊家に大成するのか注目したい。
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