新たな創造へ競演 国立劇場で「創作舞踊」公演


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 国立劇場おきなわの企画公演「創作舞踊」が7日、浦添市の同劇場で開かれた。第1部は、第4回創作舞踊大賞(同劇場主催)の大賞に選ばれた仲程めぐみの「伊野波女童(ぬーふぁみやらび)」など、過去の受賞作4題が披露された。

第2部は定評のある招待作品5題を上演。沖縄の風土に根差しつつ新たな創造を目指す創作舞踊の世界へいざなった。
 招待作品は宮城流美能留会の「赤馬節」(宮城美能留作)、安座間本流の「赤田風」(金武良章作)、宗家眞境名本流眞薫会眞薫結の会の「はりく美童」(真境名由康作)、真踊流の「銭鳴りひゃー」(真境名佳子作)、阿波連本流啓扇会の「ヒートゥドーイ」(阿波連本啓作)。
 「赤田風」は、首里城内の女性が城外の男性に会いに行く様子を描く。着物で顔を隠し、忍びながら登場する。しなやかな手や駆け寄るような動きから、愛する人に会いたい気持ちや切なさが伝わってきた。
 「ヒートゥ―」は9曲を用い27人が出演する大作。今では見られない名護湾での住民挙げてのイルカ漁を生き生きと描く。芸能が文化の記憶装置になることを再認識させられた。
 第1部の作者兼出演者と演目はそのほか、玉城千枝「てだ心(てぃだぐくる)」、田口博章「春華(しゅんか)」、高嶺美和子「子守節(くゎむいぶし)」。

「ヒートゥドーイ」を踊る阿波連本流啓扇会=7日、浦添市の国立劇場おきなわ
「赤田風」を踊る安座間明美