八重山教科書 竹富町へ直接是正要求 文科省が検討


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【東京】八重山教科書問題で、県教育委員会が是正要求に関する疑問点をまとめた質問書を文部科学省に送付する件で、同省は19日、「教科書無償措置法に反しており、早急に竹富町に対して是正要求を行うべきだ」と回答する方針を固めた。県教委がこの指示に従わなかった場合、県教委と竹富町の双方に是正要求することも検討する。

国が都道府県を介さず、市町村に直接是正要求を出すことを検討するのは初めて。
 文科省によると、18日に県教委から「質問書を送付したい」と連絡があった。文科省教科書課は「違法状態があるのは確かで、行政上の混乱が生じている」と指摘。質問書に対して、早期に竹富町教委へ是正要求するよう回答する考えを示した。
 一方、地方自治法に基づく是正要求は原則として都道府県を通すことになっており、市町村に直接是正要求するには「緊急を要するとき、その他特に必要と認めるとき」の要件を満たさなくてはならない。
 文科省は県教委が指示に従わない場合、「その他特に必要と認めるとき」の規定に当てはまると判断し、県教委、竹富町の双方に是正要求する方向で調整する。
 菅義偉官房長官は19日の記者会見で、保守色の強い育鵬社の教科書を拒否した竹富町へ文科省が直接是正要求することについて「さまざまな検討をしている」と述べ、含みを持たせた。