埋め立て審査きょう知事に報告 担当部長上京へ


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 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設へ向けて政府が提出した埋め立て申請の審査を担当している県の當銘健一郎土木建築部長、山城毅農林水産部長が23日にも上京し、東京都内で入院中の仲井真弘多知事へ審査状況を報告する。基地問題担当の又吉進知事公室長も同席する。

土建部と農水部は22日、埋め立て可否を判断する材料の整理を大筋で終え、高良倉吉副知事らへ報告した。判断基準のうち、環境保全などの観点で事務方だけでは適合状況の判断が難しい一部の項目は知事の判断を仰ぐとみられる。
 知事が承認した場合、承認の理由を説明する理由書は必要はなく留意事項を付ける。不承認の場合は理由書が必要で、県は両面を見据えて検討している。
 判断基準となる公有水面埋立法第4条1項は、1~6号の全てに適合しなければ埋め立てを承認することができない絶対条件となっている。このうち「適合か不適合か微妙なところもある」(當銘土建部長)として判断が難しい項目は知事や副知事と事務方を交えて議論し判断する方針。2号「環境保全及び災害防止に十分な配慮」を念頭に置いているとみられる。
 辺野古埋め立て申請は県外から大量の土砂を搬入するもので「前例のない計画」(県幹部)という。アルゼンチンアリなど県外で分布する外来生物が土砂に混入し、貴重な生物多様性を有する大浦湾の生態系への影響も懸念される。外来種対策を問う県が繰り返した質問に対し、沖縄防衛局は埋め立て承認を得た後、土砂の購入時点で性状確認など対策を講じるなどの方針を示しているが、具体性に欠ける面もある。
 土建部と農水部は22日、高良副知事への報告後に各項目の適合状況などを調整し、工事に使う作業ヤードに関し、埋め立ての必要性があるのかなどについても意見交換したという。
 一方、都内の病院に入院中の仲井真知事は22日午前、元防衛庁長官の額賀福志郎氏と面会した。額賀氏は面会後、記者団の質問に答え「まだ痛いところもあるが、元気そうだった」と知事の様子を説明した。