「ジュゴンの海になぜ」 県外出身名桜大生、辺野古で知る過酷さ


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23日に開く催しについて話し合う(左から)野島美里さん、脇島田有伽さん、住吉優太さん=21日、名護市の名桜大学

 辺野古埋め立て申請に対する知事判断が間近に迫る。名護市の名桜大学に通う県外出身の学生は、ここ数年の国と県、名護市のやりとりを振り返り「自分の地元で無理矢理、基地が造られたら悲しい」「ジュゴンの生息が確認されている海を、国が埋め立てようとするのはおかしい」と話す。

 同大3年の住吉優太さん(21)は徳島県出身。進学で沖縄に来るまで、「沖縄の経済は基地で成り立っていると思っていた」。県内の報道などから、返還後の土地利用で経済効果が高まった事例を知り、考えが変わった。「ジュゴンがいる海を埋め立てて、貴重な海をなくすのはどうかと思う。知事には埋め立てを承認してほしくない」
 鹿児島県出身の脇島田(わきしまだ)有伽さん(21)=3年=は、那覇空港に向かう飛行機の窓から見た海の青さが忘れられない。「『普天間は危ないから』と辺野古に移設しても、悲しい思いをする人は必ず出てくる」「おばあちゃんになったとき、孫たちに『沖縄の海は昔、とてもきれいだったんだよ』と言いたくない」と話す。
 野島美里さん(21)=3年=は「沖縄で起きていることが故郷の宮崎県で起きたら…」と想像する。「県外出身の私でも、きれいな大浦湾が埋め立てられるのは嫌だなと思う。自分の地元で無理矢理、基地が造られることがあったら悲しい」と語った。
 沖縄戦の「集団自決」を題材にした北島角子さんによるウチナーグチ一人芝居や、宮森小ジェット機墜落事故をテーマにした絵本の朗読などが23日午後7時から、同大多目的ホールで開かれる。3人は司会や憲法第9条の朗読役を務める。当日券は2千円、名桜大生は無料。問い合わせは同大語学教育専攻(電話)090(4355)2290(与那覇)。