【フランス】仏で組踊、照喜名氏独唱 パリっ子も高い関心


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終演後のカーテンコールであいさつする舞踊家ら。中央が人間国宝の照喜名朝一氏=11月、フランス・パリ

 11月8、9日の2日間にわたってフランスのパリ日本文化会館で開かれた組踊公演は、フランス内での沖縄芸能の関心が高まっていることをうかがわせる公演となった。

 演目は琉球古典舞踊および人間国宝の照喜名朝一氏の独唱、組踊「花売りの緑」と続いた。沖縄の一流の舞踊家、演奏家による舞台に、見巧者のパリの観客はひとときもその所作、演奏の瞬間を逃すまいと集中して観劇した。演目が終わるたびに、演目中の観客が醸し出す張りつめた静寂とは対照的な盛大な拍手が送られた。
 組踊は事前に物語を説明してから上演するという形が取られた。観客の中には字幕対応があると物語を理解しやすいという声もあったが、字幕がないことでかえって美しい所作に集中することができ、それはそれで良かったのではとの意見もあった。作品への関心の高さをうかがわせた。
 会場にはヨーロッパで最も規模の大きい演劇祭の一つ、アヴィニヨン演劇祭オフ部門の会長も観劇に訪れた。
 パリ日本文化会館での公演は2011年に続き2回目。県主催としては初めてのフランス公演となる。(大城洋子通信員)