辺野古埋め立て 知事、県幹部に承認伝達


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仲井真 弘多知事

 仲井真弘多知事は26日午前、那覇市の知事公舎に県幹部を集め、政府が米軍普天間飛行場の移設に向けて申請した名護市辺野古移設の埋め立てに関して対応を協議し、埋め立てを承認する方針を伝えた。

知事は27日午後3時から県庁で記者会見し、正式に承認を表明する予定だ。県内移設反対の世論が根強い中、知事が承認の意向を固めたことに対して反発が広がっている。県議会野党は26日、知事に説明を求めるため臨時会の招集を請求した。年明けの1月6日の週に開会される見通しだ。
 27日の会見で仲井真知事は埋め立て承認を表明するが、一方では早期の普天間の危険性除去には「県外の既存の施設への移設が早い」として、県外移設を求めてきたこれまでの方針は堅持し、辺野古移設は事実上不可能との考えも重ねて説明するとみられる。
 埋め立ての申請内容を審査してきた県土木建築部は26日午前、知事の可否判断の大きな要素となる審査結果について、知事の判断も考慮した上で「適合する」との結果をまとめた。當銘健一郎土木建築部長が同日夕、知事公舎を訪れ、申請書に知事の決済印を得た。27日午前に公印を押した上で沖縄防衛局に提出する。
 申請書では、判断を保留していた公有水面埋立法の「環境保全、災害防止に十分に配慮しているか」の項目についても「法律に適合していないとは言えない」と判断した。
 知事は27日の会見に先立ち、県民にどう説明し、理解を得るべきかについて、県幹部や自民、公明両党の幹部、支持者らにも説明し、内容を詰める。
 一方、知事は26日午後、来年1月の名護市長選への出馬を取りやめた島袋吉和前市長と、移設推進派の保守系候補として一本化されることになった末松文信前自民県議の2人と公舎で会談。知事は3人で握手を交わし、「頑張っていきましょう」と述べた。
 知事の承認決断に反発する市民ら十数人は26日、公舎前で「公約を破る知事は辞めろ」「辺野古の海を埋め立てるな」などと抗議の声を上げた。