県内補導最多5万人 13年10月末、深夜徘徊7割


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 2013年に県内で補導された少年の数が県警が統計を取り始めた1972年以降、最多となることが30日までに分かった。ことし10月末時点で5万81人に上り、今まで最多だった11年通年の4万4559人を既に超えている。

通年では6万人を超えるペースとなっている。補導人数のうち約7割を深夜徘徊(はいかい)が占める。県警少年課は増加した理由について、警察官やボランティアの補導員が街頭での補導を強化したためとみている。
 2012年10月末の補導人数は3万4189人。ことしは前年同期比で約1万6千人増加している。補導理由の内訳は午後10時から翌午前4時までの深夜徘徊が3万4932人、喫煙が1万0564人、飲酒が1659人など。
 無職少年が1万5949人、中学生は1万3577人、高校生が1万302人を占めた。性別は少年が3万9649人、少女は1万432人だった。
 少年問題に詳しい横江崇弁護士は「補導人数の増加について、現段階で正否の判断はできない。ただ教育現場や地域で対応しきれなくなり、警察の手に委ねられる部分が大きくなっている実態があるのではないか」と指摘した。
 おきなわ「非行」と向き合う親たちの会(さんぽの会)世話人代表の井形陽子さんは「補導される人数が増えることで、被害者や加害者になる子どもたちが減るとしたら、保護者にとってありがたい。一方、なぜその行為をしたのかという、子どもたち一人一人の背景や気持ちときちんと向き合うことが大切だ」と話した。(大嶺雅俊)

補導された少年の数の推移
補導理由の内訳